007映画で英語の勉強 twenty がトゥエンティでなくトゥエニィ n の後の t の発音は飲み込まれる 原理編

前の記事で、n の後の t の発音は、発音しない、飲み込まれる感じ、ちょこっと言っている感じについて、007映画の実際のセリフで見てきました。
例えば twenty はトゥエンティでなくトゥエニィと聞こえます。
You knew, didn’t you? は ユーニュー ディドュント ユーでなく、ユーニュー ディ ニューと聞こえます。
orientals は、オリエンタルズでなく、オリエ ナ ルズと聞こえます。

今日はその原理を勉強します。

■t を発音しない、飲み込まれる感じ ちょこっと言っている感じになる原理

英語音声学入門(松阪ヒロシ著)によると、
ある音が近隣の音の影響を受けて、その音に性質上近づくように変化することがあり、これを同化と呼ぶようです。
その影響が前から後に及ぶのを進行同化と呼ぶそうです。

n の直後に t が来た場合、t がなくなる原理は、twenty を例にして、こう書かれてます。

t は有声化して、d になり、極端な場合は、さらに n になって、直前の n と合体してします。n が直後の t に影響を及ぼし、t を d や n に変えるのである。進行同化である。

この説明をします。

基本的知識を、この英語音声学入門から勉強しつつ、説明します。
子音というのは、
声の有無、調音位置、調音様式で整理されるそうです。

声の有無と言うのは、声帯をふるわせながら発声するのか、ふるわせないで発声するのかです。
例えば、s という音を発音している時、のどに指を当ててもふるえてません。m という音を発音している時、のどはふるえてます。
母音は全て有声音で、子音は有声音と無声音があります。

調音位置と言うのは、どの器官を使って発音するかというものだそうです。下記の実例を実際に発音してみるとわかります。
両方の唇は、p、b、
唇と歯は、f、v、
歯(と舌)は、θ、ð
歯ぐき(と舌)は、t、d、s、z、ts、dz、n、l、
・・・
だそうです。

調音様式とは、調音器官の使い方だそうです。
閉じられた息の通り道を急に開くのは、p、b、t、d、k、g
これは破裂音と呼ぶ
口の中の息の通り道をふさぎ、息を鼻から出すのは、m、n、…

n という音は、
声の有無 有声
調音位置 歯ぐき
調音様式 鼻音

次に来る
t という音は、
声の有無 無声
調音位置 歯ぐき
調音様式 破裂音

この t が前の n と言う有声音の影響を受けて、無声音から有声音になる。つまり d になる。
d という音は、
声の有無 有声
調音位置 歯ぐき
調音様式 破裂音
です。

もう、d と n の違いは、調音様式だけですね。だから、d は n になりやすいのでしょうね。

こういう流れで t が消えるのですね。

自分で何回も繰り返し発音してみると、
twenty は、トゥエンティと発音するよりトゥエニィ の方が楽と言えば楽ですね。
You knew, didn’t you? も、ユーニュー ディドュント ユー より、ユーニュー ディ ニューの方がかなり楽です。
orientals は、オリエンタルズ より、オリエ ナ ルズ の方が楽です。

でも、can’t のように、t が飲み込まれる、聞き方によっては、can とも聞こえるわけで、全く意味が反対になります。
私の経験では、can’t の直後に t や d の音が来る場合、つまり上記のように、I can’t do that. は、本当に聞き分けにくいです。
意味が反対になるかどうかが聞き分けにくいと言うのは、ネイティブ・スピーカーでない人にとって、英語は、非ネイティブにはやっかいな言葉だと思ってます。

また、同化は初学者は無理にまねをしなくて良い、アメリカ英語の弾音(例えば、 better はベラー、この ラ は へい、らっしゃい の ら に近い音)のように、システムとして確立されているものは別だが、他のほとんどのものは、ていねいな発音には起きないものである。ただし、聞き取り能力を高めるために、同化の知識は重要、と英語音声学入門にありました。

だから、自分がビジネスで使う時は、
You don’t look は、ユー ドント ルック と発音し、相手が ユー ドン ルック と言った時、ああ、t を落としているな、と聞き取れれば良いって事にしました。

ものすごい勉強になりました。

t が飲み込まれるのは、n の直後以外にもあります。また別の記事で勉強したいと思います。

ちなみに、発音をカタカナで表していますが、これはわかりやすいイメージを言っているのであって、皆さんに言うまでもないと思いますが、t をトと書いているからと言って、母音を伴うトではありません。

007映画で英語を勉強して、300記事を超えました。好きな映画で英語を勉強するのは楽しいものです。この記事に全体の目次がありますので、ぜひともお好みの記事からご訪問ください。

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