007で英語の勉強 You had better は 意外にきつい言葉 had better の用法 第1弾

had better は、~した方が良い、と学校で習ったような気がしますが、意外ときつい意味があるので、使う時は気をつけなさいと言われる言葉です。
現に、ルミナス英和・和英辞典では、
(私は…したほうがよいと思うから) …するのがよい; …しなさい, …しなくてはいけない.
とあり、後半はけっこうきつい表現です。
ルミナス英和・和英辞典では、下記のように番号の順に意味が強くなるとあります。

  1. should
  2. ought to
  3. had better
  4. have got to
  5. must

should, ought to より強いんですね。

こんな説明も書いてあります。
 had better を使うと行為のよしあしについての話し手の判断が強く表われる.
 特に主語が you のときはことばの感じがかなり押しつけがましく, 普通の命令よりむしろ強い口調になることさえあり, 年上や目上の人に用いると横柄で失礼な言い方となる.
 ただし親しい間柄では軽い気持ちでよく使う.
 普通は「…よりはよい」という比較の気持ちは含まれない. You had better do it. は, 「しなさい, しなくてはだめですよ」のような意味.

ロイヤル英文法(綿貫 陽/宮川 幸久/須貝 猛敏/高松 尚弘 著)でも、
You had better ~ はおしつけがましい言い方で、相手によっては失礼にあたることがあるので注意。文脈によっては、特に better に強勢を置くと威嚇の感じすら与える場合がある。のようにやわらげるのがよいとされる。
とあります。

また、同じくロイヤル英文法には、
省略形もあって、We had better ~ がくだけた言い方では、We’d better ~ からさらに We better ~ になるような変形が見られる。主語を省略した Better go now. のような形もあるが、どれも砕けた話し言葉に限られる。
とあります。

これらを007映画の中で、会話している二人の立場関係を見ながら、見て行こうと思います。

■You had better ~、You’d better ~

■■上の人間が下へ言う

■■■Mから007へ指示を出す

ドクター・ノオでは、
M は007に、ジャマイカの事件を調査するよう、命令してます。アメリカのCIAはフェリックス・ライターという男を派遣したと言ってます。
00時間12分00秒
Has he found out anything?
Anything important?
You’d better ask him.
You’re booked on the 7 o’clock plane to Kingston.
彼は何か発見しましたか?何か重要な事を?(007)
本人に聞け。君には7時発のキングストン行き飛行機を予約してある。(M)

日本語字幕(保田道子さん)では、
彼に尋ねろ
です。

英語字幕では、Ask him. となっていて、You’d better とは書かれてません。

ムーンレイカーでは、
007がドラックスの毒物精製の秘密研究所を見つけ、翌日、グレイ国防相、M を伴い、調査に赴きました。ところがドラックスは信じられないことに、一晩のうちに、そこを豪奢な書斎にしており、研究室の跡形もありません。
グレイは007の腕を疑い、M に007を任務から外すように命じました。
007を信じている M は、休暇の名目で任務を続けるように指示します。
00時間54分53秒
You’d better take two weeks’ leave of absence, 007.
二週間の休暇を取りなさい。(M)

英語字幕では、You’d better で、You better と言った省略形ではありません。

日本語字幕(菊地浩司さん)では、
2週間 休暇を取りたまえ
です。

leave of absence 休暇

ムーンレイカーでは
毒物精製の研究所から007が持ち帰った毒物について、Q が分析結果を説明します。有毒神経ガスで、化学式かオーキディア・ネグラという蘭から抽出されたものでした。この蘭はアマゾンの奥地にあるものとわかり、
01時間15分54秒
You better get up there, and fast.
そこに行ってくれ、早く。(M)

日本語字幕(菊地浩司さん)では、
すぐに行ってくれ
です。

You’d better でなく、You better と省略形の英語字幕でした。

長くなりましたので、次の記事に続きます。

007映画で英語を勉強して、300記事を超えました。好きな映画で英語を勉強するのは楽しいものです。この記事に全体の目次がありますので、ぜひともお好みの記事からご訪問ください。

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