007映画で英語の勉強 It is ~ that … (強調構文、形式主語 その2)

前回の記事では、 強調構文の主語を強調するのを007映画のセリフで見ました。 今日は、目的語や修飾語を強調する強調構文を見た後、形式主語も見ます。

そして、強調構文と形式主語の区別は、前回勉強したように、ロイヤル英文法(綿貫 陽/宮川 幸久/須貝 猛敏/高松 尚弘 著)にこんな事が書かれてます。
(1)It is と that を取り除いて、完全な文になるなら、強調構文。
It was Tom that lost his watch.
から、It is と that を取り除きます。
It was Tom that lost his watch.
        ↓
    Tom   lost his watch.
文になってますね。強調構文ですね。
形式主語では、
It is a fact that the world is round.
        ↓
  a fact   the world is round.
これを見ると、the world is round で一つの文であり、 a fact は余りますね。通しで見ると、文になってませんね。
形式主語構文ということですね。
そういう事だったんですね。

(2)It is と that の間の語が形容詞またはそれに類する語句ならば、形式主語構文、名詞・代名詞・副詞(句・節)であれば、強調構文の事が多い。
It is true that he broke the record.
彼が記録を破ったのは本当だ。
形容詞なので、形式主語。

It was a police officer that signaled him to stop.
彼に止まるように合図したのは警官だった。
名詞なので、強調構文。

強調構文

目的語を強調

目的語を強調
ロイヤル英文法にはこういう説明があります。
It is ~ that … の~の部分に主語・目的語・補語などの名詞・代名詞や副詞(句・節)を入れて、「…するのは~だ」と強調することがある。
James met Tom in the park yesterday.
この文の各要素をこの構文を用いて強調すると、次のようになる。
It was James that [who] met Tom in the park yesterday.
It was Tom that [who or whom] James met in the park yesterday.
It was in the park that James met Tom yesterday.
It was yesterdaythat James met Tom in the park .
目的語の強調は、この内の
It was Tom that [who or whom] James met in the park yesterday.
に相当するものです。


ユア・アイズ・オンリーでは、
クリスタトスはヘロインの密売をやっているのはコロンボだ、でも逮捕するのは難しい、いろいろな所にコネがあるので。殺すしかないかもと、007に言います。
その後、007はコロンボに捕まりました。そこでコロンボに言われます。
01時間12分02秒
But I’ll tell you…it is Kristatos you want, not me.
He told you about himself.
He’s the one with the powerful connections.
だが言おう、クリスタトスだ、君が捕まえるべきは。私じゃない。(コロンボ)
彼は自分のやっている事を君に言ったのだ。 (コロンボ)
彼が強いコネを持っているのだ。(コロンボ)

it is Kristatos you want は、
it is Kristatos that you want の that を省略したものですね。
it is と that を取り除くと、
  Kristatos   you want

目的語が文頭にあるので、奇異な感じはするものの、完全な文になってますね。Kristatos は名詞です。

修飾語を強調

ロイヤル英文法にはこういう説明があります。
It is ~ that … の~の部分に主語・目的語・補語などの名詞・代名詞や副詞(句・節)を入れて、「…するのは~だ」と強調することがある。
James met Tom in the park yesterday.
この文の各要素をこの構文を用いて強調すると、次のようになる。
It was James that [who] met Tom in the park yesterday.
It was Tom that [who or whom] James met in the park yesterday.
It was in the park that James met Tom yesterday.
It was yesterday that James met Tom in the park .
修飾語の強調は、この内の
It was in the park that James met Tom yesterday.
It was yesterday that James met Tom in the park .
に相当するものです。

トゥモロー・ネバー・ダイでは、
007がホテルに戻った時、部屋のビデオがパリス・カーヴァーの死をニュースとして、伝えています。
00時間55分09秒
it is with great sadness that we announce the death of Paris Carver
大変な悲しみがあります。パリス・カーヴァーさんが亡くなったことをお伝えするには。(ビデオ)

it is と that を取り除くと、
  with great sadness   we announce the death of Paris Carver

with great sadness が文頭にあるので、奇異な感じはするものの、完全な文になってますね。また、 with great sadness は副詞句です。
強調構文ですね。

ドクター・ノオでは、
007とハニーは敵のノオ博士のクラブ島で捕らわれます。放射性物質を洗い落とされた後、二人の女性に意外にも歓待されます。
01時間21分03秒
It was only half an hour ago we knew you were on your way.
たった30分前です、あなた方がいらっしゃると知ったのは、(女性)

that は省略されてます、省略前は、
It was only half an hour ago that we knew you were on your way. で、
It was と that を取り除くと、
    only half an hour ago  we knew you were on your way.

完全な文になってますね。only half an hour ago が文頭に出て、奇異な感じはするものの。
強調構文ですね。 only half an hour ago は副詞句ですね。

on one’s way   出発して、近づいて, 現われかけて

次は、形式主語です。

形式主語

ネバーセイ・ネバーアゲインでは、
スペクターがNATOの戦闘機から核爆弾を盗みました。
核爆弾は大統領の指示なしでは、戦闘機に搭載できません。システムは大統領の右目をスキャンして本人確認をします。
ペタッチ大尉が基地で妙な動きをしていたとわかりました。
007とMの会話です。
36分51秒
If this Petachi was involved, is it conceivable that he could have used a false eye?
もし、このぺタッチが関わっているなら、義眼を使ったという事が 考えられませんか?(007)

is it と that を取り除くと、
                conceivable   he could have used a false eye?
文じゃないですね。
それに conceivable は形容詞だし。
これは形式主語ですね。

conceivable   形容詞 考えられる
ルミナス英和・和英辞典

同じく、
ネバーセイ・ネバーアゲインでは、
女性殺し屋ファティマは007を殺そうとしますが、007は何とか逃げおおせます。
007がラルゴのガールフレンドのドミノと親しく話しているのをみて、ラルゴはファティマに言います。
01時間09分00秒
Is it possible that you have bungled your attempts because you want him for yourself?
君が彼の殺しに失敗したのは、君自身が彼を欲しかったから、というのはありえるかね?(ラルゴ)

Is it と that を取り除くと、
  possible   you have bungled your attempts ・・・
文じゃないですね。それに possible は形容詞だし。これは形式主語ですね。

bungle     へまをする
attempt     企て、(人の命を)狙う事
ルミナス英和・和英辞典

ムーンレイカーでは、
007はスペースシャトルのムーンレイカーの行方不明事件を追って、製造元のドラックスの工場や私邸を訪れました。
次の手がかりを得たので、ドラックスに退去のあいさつをしに来ます。ドラックスが言います。
00時間30分33秒
A pity you leave us.
帰られるとは残念な事だ。(ドラックス)

leave       〈…〉と別れる
I’m sorry you are leaving us so soon. そんなに早くお帰りになるなんて残念です
ルミナス英和・和英辞典

A pity you leave us. は短い文章ですが、
It is a pity (that)…=Pity… …とは残念なことだ
ルミナス英和・和英辞典
とあるように、
It is a pity that you leave us.の省略形ですね。Is it と that を取り除くと、
  a pity   you leave us
となります。文になってません。形式主語です。

実は細かく言うと、leave は目的語を二つ持てる動詞です(…に~を残す)。だから、a pity がyouに続く二つ目の目的語だとすると、強調構文と言うのはありえます。つまり、君が私に残したのはまさに残念である、と言う事です。
ただ、
ロイヤル英文法(綿貫 陽/宮川 幸久/須貝 猛敏/高松 尚弘 著)には、形式主語として、
It is a pity that Tanaka could not join our meeting.
田中が会に出られなかったのは残念だ。
がちゃんと載ってますし、君が私に残したのはまさに残念というのも変ですしね。

ちなみに pity は名詞です。冒頭述べた強調構文と形式主語の判別で、
2)It is と that の間の語が形容詞またはそれに類する語句ならば、形式主語構文
とありましたが、それに類する語句というのに名詞も入るわけですね。

スペクターでは、
ブロフェルドは007に話してます。
ル・シッフル、グリーン、シルヴァを例に挙げて、君は私の仕事を邪魔してきた、とブロフェルトは言います。
そのため、私も君の世界を破壊した。
01時間46分06秒
Or did you think it was coincidence that all the women in your life ended up dead?
それとも、君の人生で出会った女はみんな死んだのは偶然だと考えていたのかね?(ブロフェルド)

it was と that を省くと、
           coincidence   all the women in your life ended up dead
文じゃないですね。これは形式主語です。

リビング・デイライツでは、
00部門の3人が訓練をしようとしてます。その前の M の訓示です。
00時間00分53秒
Gentlemen, this may only be an exercise so far as the Ministry of Defence is concerned. But for me, it is a matter of pride that the 00-Section has been chosen for this test.
みんな、これは国防省にとっては単なる訓練だが、私にとっては、00部門が選ばれたことは、プライドの問題だ。

it is a matter of pride that the 00-Section has been chosen for this test は、
it is と that を省くと、
  a matter of pride   the 00-Section has been chosen for this test
文じゃないですね。これは形式主語ですね。

強調構文と形式主語を勉強しました。私としてはなかなかおもしろかったです。

次は、疑問詞を強調する強調構文を勉強しようと思います。この記事をご覧ください。

007映画で英語を勉強して、300記事を超えました。好きな映画で英語を勉強するのは楽しいものです。この記事に全体の目次がありますので、ぜひともお好みの記事からご訪問ください。

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