イタリア人の英語の発音は、/h/ の発音が無視されたり、あるいは余分に付け足されたりします。
とスピーキングテストコラム にあります。

これは、サンダーボール作戦に出てくる、フィオナ・ヴォルペ Fiona Volpe と言う女性の殺し屋のセリフで、大変顕著にみられます。

Volpe という姓はイタリア人の姓だそうです。
LA CAFFETTERIA DI RETROSCENA舞台裏カフェによると、
イタリア人の苗字で「Volpe」というものがあります。
意味は「キツネ」です(・∀・)
その「キツネさん」ですが、北イタリアでは「Volpi」（複数形）、南イタリアでは「Volpe」（単数形）と、地域で違いがあるようです

また、演じている Luciana Paluzzi さんという女優は、イタリア生まれ、イタリア育ちのようです。

ところで、以前の記事で、強勢のない h は発音しない事を勉強しました。
そして、文中で強く発音される傾向の強いものと弱く発音される傾向の強いものとは、
①強く発音される傾向の強い単語
指示代名詞、名詞、動詞（be動詞を除く）、形容詞（不定形容詞を除く）、副詞（so、there、asなどの短いものを除く）
②弱く発音される傾向の強い単語
冠詞、人称代名詞、助動詞、be動詞、不定形容詞、副詞（so、there、asなどの短いもののみ）（前置詞（underneath など長いものを除く）、接続詞（provided など長いものを除く）
も勉強しました。

英語には内容語と言って、文の意味や内容の大半を述べるものと、機能語と言って、それ自体でははっきりした意味内容が無く、文法的なつながりを示すものがあります。強く発音されるのは、内容語であり、弱く発音されるのは、機能語とのなります。
以前の記事で取り上げた h を発音しないものは、全て強勢がおかれない機能語の人称代名詞でした。

イタリア人の殺し屋ヴォルペの発音では、h を発音しないのは、機能語の h をもちろん、内容語の h も発音しません。
では、実際に見てみましょう。

■h を発音しない

■■機能語の h を発音しない

まず、ありがちな機能語の h を発音しない、のを見てみましょう。

00時間19分57秒
He‘s dead, all right.
ヒーズ デッド でなく、
イーズ デッド と聞こえます。
人称代名詞 He の h を言ってないです。

00時間21分13秒
He always says, “Ciao”.
ヒー オールウェイズ でなく、
イー オールウェイズ と聞こえます。
人称代名詞 He の h を言ってないです。

01時間07分44秒
Have you been here before, Mr.Bond?
ハヴユー ビーン ヒア でなく、
アヴユー ビーン ニア と聞こえます。
助動詞の Have と 副詞の here を言ってないです。

01時間10分27秒
If Bond had died last night
ボンド ハド ダイド でなく　
ボン ダ　ド ダイド と聞こえます。
助動詞の had の h を言ってないです。

01時間25分16秒
James Bond, who only has to make love to a woman
フーオンリー ハス トゥー でなく、
ウーオンリー エス トゥー と聞こえます。
関係代名詞 who と助動詞のように用いられる have to の h が発音されてません。（関係代名詞は機能語です）

■■内容語の h を発音しない

内容語の h も発音しないです。

01時間24分02秒　
You made a shocking mess out of my hair, you sadistic brute.
マイ へア でなく、
マイ エア と聞こえます。
名詞の hair の h を言ってません。

01時間24分21秒　
I’d hate to miss anything.
アイ へイト でなく、
アイ エイト と聞こえます。

動詞の hate の h を言ってません。
これだと、hair を air、hate を ate と勘違いしてしまいますね。

01時間25分19秒
and she starts to hear heavenly choirs singing.
スターツ トゥ ヒア ヘヴンリー ですが、
スターツ トゥ イア エヴンリー とか、
スタース　　ウィア エヴンリー とも聞こえます。
動詞 hear と形容詞 heavenly の h を言ってません。（heavenly は ly で終わってますが、形容詞です）

ちなみに、 choir はクワィアと読みます。この記事で勉強してます。

長くなりましたので、次の記事に続けます。