007で英語の勉強 You had better は 意外にきつい言葉 had better の用法 第3弾
You had better は、意外ときつい意味があるので、気をつけなさい、と良く言われ得る言葉です。
had better を使うと行為のよしあしについての話し手の判断が強く表われる.
特に主語が you のときはことばの感じがかなり押しつけがましく, 普通の命令よりむしろ強い口調になることさえあり, 年上や目上の人に用いると横柄で失礼な言い方となる.
ただし親しい間柄では軽い気持ちでよく使う.
と、ルミナス英和・和英辞典にあります。
ロイヤル英文法(綿貫 陽/宮川 幸久/須貝 猛敏/高松 尚弘 著)でも、
You had better ~ はおしつけがましい言い方で、相手によっては失礼にあたることがあるので注意。文脈によっては、特に better に強勢を置くと威嚇の感じすら与える場合がある。I think you had better ~ のようにやわらげるのがよいとされる。
007映画の中で、会話している二人の立場関係を見ながら、You had better を見て行ってます。
この記事では、
■■上の人間が下へ言う
■■■Mから007へ指示を出す
を見ました。
この記事では、その続きで、
■■上の人間が下へ言う
■■■コロンボがメリナと部下に指示します。
■■■麻薬王サンチェスが自分の幹部に言う
■■■療養士が患者の007に指示する
■■■サンチェスの幹部がサンチェスの愛人に言う
■■■007が若手の女性諜報部員に指示する
を見ました。
今日はその続きです。
■You had better ~、You’d better ~
■■親しい間柄
ここからは親しい間柄での例です。
■■■007からCIAフェリックス・ライターへ
ドクター・ノオでは、
007はドクター・ノオの陰謀を阻止し、ハニー・ライダと何とか島を小さな船で脱出しましたが、ガソリンが切れ、海に漂います。。
CIAのフェリックス・ライターが軍の船で来たので、007は言います。
01時間48分08秒
Now that you’re here, you’d better give us a tow.
来てくれたんなら、引っ張ってくれ。(007)
日本語字幕(保田道子さん)では、
せっかくだ 引っ張ってくれ
です。
tow 綱[ロープ]で引くこと;
英語字幕では、you’d better が省略されていて、
Now that you’re here, give us a tow.でした。
■■■マニペニーから007へ
007は二度死ぬでは、
潜水艦にある M の執務室の手前にいるマニペニーと007の会話です。
00時間11分50秒
Hello, Penny.
You better go right in.
やあ、マニペニー。(007)
すぐにお入りなさい。(マニペニー)
日本語字幕(菊地浩司さん)では、
You better go right in.
は訳出されてませんでした。
You’d better でなく、You better と省略形の英語字幕でした。
ムーンレイカーでは、
M の執務室の手前にいるマニペニーが007に言ってます。
00時間09分10秒
And you should go right in.
すぐに入った方が良いわ。(マニペニー)。
日本語字幕(菊地浩司さん)では、
早く行ってです。
ここでは、should を使ってますね。
shouldの強さの程度は、こうです。
番号の順に意味が強くなる。
- should
- ought to
- had better
- have got to
- must
You should do it. は, 「したほうがいいんじゃないですか, しなさいよ」のような意味で感じは柔らかい.
You ought to… は should に近いがそれよりやや意味が強い.
You had better do it. は, 「しなさい, しなくてはだめですよ」のような意味.
You must… は, 話し手が「そうしなければならない」と命令しているのであって, You must do it. は「何としてもしなければならない」の意味になる.
主語が you のときの強制・命令の気持ちは原則として上の表のようになる.
とルミナス英和・和英辞典にあります。
ここでは、マニペニーは007に柔らかく言っているんですね。
■■普段の上下関係はない
普段の上下関係はないが、強く言いたい時には、you’d better を使ってます。
■■■007が敵の愛人に
消されたライセンスでは、
007は麻薬王サンチェスのガールフレンドの船室に忍び込みました。二人は、窓から007の味方が殺されて吊下げられて戻ってくる船を見ました。
極めて厳しい顔と口調で007が言います。
00時間42分32秒
You’d better find yourself a new lover.
新しい愛人を見つけろ。(007)
日本語字幕(戸田奈津子さん)では、
恋人を替えるんだな
です。
■■■スペクターのラルゴがファティマに強い意図で言う
ネバーセイ・ネバーアゲインでは、
スペクターの一員のラルゴは自分の愛人のドミノと007がダンスを踊っているのを見てます。
ラルゴはスペクターの女性殺し屋ファティマに言います。ファティマは007を2度殺そうとしましたが、007は切り抜けてます。
01時間18分39秒
Today, you have another chance.
This time, you’d better not fail.
Number 12.
今日、もう1回チャンスがある。(ラルゴ)
今度は失敗できないよ。(ラルゴ)
(ここで、ファティマが親しげにラルゴの顔に手を当てようとすると、厳しい口調でラルゴは言います。)
ナンバ―12。(ラルゴ)
日本語字幕では、
今度はしくじるなよ
です。
ラルゴとファティマはともにスペクターの首領ブロフェルドの部下で、上下関係でなく、同僚関係にあたると思います。
前にファティマと呼んでいたのに、この会話ではファティマと呼ばず、スペクター内の正式呼称であるナンバー12と言ったのは、仕事だ、やらなくちゃいけない、という強い意志があったのだと思います。
また、これは否定形ですね。否定形は動詞の前に、not を入れれば良いです。
■■下の人間が上のものへ
消されたライセンスでは、
麻薬王サンチェスの幹部であるミルトンが海上で麻薬取引をしようとしてます。ミルトンの部下がミルトンの所に来て、お願いをします。
00時間37分53秒
The Sentinel’s picking up something large on the monitor, sir.
I think you’d better take a look.
何か大きなものが水中監視画面に映っております、【ミルトンの部下)
ご覧になった方が良いかと。(ミルトンの部下)
ここまでずっと、上のものが下のものに言っている、親しい間柄、必ずしも上下関係はないが強く言うシーンに You had better ~ は使われてました。
初めて、下のものが上のものに言っているシーンを見つけました。
ロイヤル英文法にあるように、I think you had better ~ として、やわらげてます。
sentinel 歩哨、監視員
長くなりましたので、次の記事に続きます。
007映画で英語を勉強して、300記事を超えました。好きな映画で英語を勉強するのは楽しいものです。この記事に全体の目次がありますので、ぜひともお好みの記事からご訪問ください。