007で英語の勉強 h は時々、発音されない

hの音は時々発音されません。

■h の音が発音されない

カジノ・ロワイヤルでは、
テロリストがマイアミ空港で、爆弾を爆発させようとしているとわかった007は、本部に連絡します。
00時間44分44秒
It’s Bond. I need her now.
ボンドだ。M と話したい。(007)
ニード ハー ナウでなく、
ニー ダー ナウと聞こえます。

ロシアより愛をこめてでは、
007は川辺に止めた船の中で寝そべって女性と抱き合いキスをしてます。そばの川を若者が彼女を載せて舟を漕いでいて、言っています。
舟遊びは良いね。(若者)
007はそれを聞いて言います。
00時間18分01秒
I couldn’t agree with him more.
同感だよ。(007)
アグリー ウィズ ヒム モア でなく、
アグリー ウィ ジム モア と聞こえます。

ちなみに、I couldn’t agree with him more. は、より同感できなかったではありません。これ以上の同感はないだろう→全く同感だです。この記事で勉強してます。

サンダーボール作戦では、
ドミノが自分を監視している男に気づき、007に話してます。
私の後見人は、私がどこにいるか知りたがるの。
00時間47分53秒
I don’t blame him.
もっともなことだな。(007)

アイ ドント ブレーム ヒム でなく、
アイ ドント ブレーミム と聞こえます。

サンダーボール作戦では、
原爆を強奪したラルゴの部下が007の部屋を探ろうとしてましたが、007に見つかり倒されます。CIAのフェリックス・ライターが聞きます。
00時間57分07秒
James, have you killed him?
ジェイムズ、殺したのか?(ライター)

キルド ヒム でなく、
キルディム と聞こえます。

ゴールデンアイでは、
007はヤヌスに、ナターリャを殺すと脅かされましたが、それをブラフと判断し、こう答えます。
01時間30分30秒
Kill her.
殺したら。(007)

キル ハー でなく、
キ ラ ーと聞こえます。

007は二度死ぬでは、
日本の諜報機関の長官が、手がかりとなりそうな貨物船は神戸に停泊しているが、今日の午後には出港してしまうと007に伝えました。
00時間43分50秒
Suggest you proceed to Kobe immediately to look her over.
すぐに神戸に行って、貨物船を調べたらどうだ。(日本の諜報機関の長官)

ルック ハー オーヴァーでなく、
ルッ カー ロー ヴァーと聞こえます。

貨物船を を her で表してます。船とか車を she であらわすのはこの記事で勉強しました。

gratifying     満足な, 喜ばしい, 愉快な
get one’s jollies  [軽蔑] 大いに楽しむ, (いたずらなどで)スリルを味わう.
one way or another 何らかの形で

美しき獲物たちでは、
ソ連に半導体技術が流出したのは、ゾリン産業が怪しいと考え。007を社長のゾリンが催す競馬馬の競売に参加させます。ゾリンは007の希望の馬を聞き出し、言います。
ちょうど良い馬がいます、朝の乗馬タイムです、(ゾリン)
00時間45分52秒
Why don’t you try him out?
試し乗りしてみませんか?(ゾリン)

try him out は、
トライ ヒム アウト でなく、
トライム アウトと聞こえます。

黄金銃を持つ男では、
殺し屋スカラマンガの恋人に007が落ち合うと、彼女は椅子に座ったまま殺されてました。007の横にスカラマンガが座り言います。
難しい狙撃だった、でも満足だ。(スカラマンガ)
誰もが何らかの形で楽しみを持つものだな。(007)
01時間17分08秒
Mine have always been guns, Mr. Bond.
私のはいつも銃だったよ、ボンド君。(スカラマンガ)

Mine have は、
マイン ハヴ でなく、
マイナヴ と聞こえます。

gratifying     満足な, 喜ばしい, 愉快な
get one’s jollies  [軽蔑] 大いに楽しむ, (いたずらなどで)スリルを味わう.
one way or another 何らかの形で

■同時に他の音もなくなったり、変化する

■■h も t も 発音しない。

ユア・アイズ・オンリーでは、
ビビが東ドイツのスキー選手を指して言ってます。
00時間45分34秒
Isn’t he beautiful?
すてきじゃない?(ビビ)

イズント ヒ― ビューティフル でなく、
イズ  ニー  ビューティフル と聞こえます。

n の後は、t は飲み込まれると以前勉強しました。
だから、t は聞こえず、h も聞こえず、イズ ニー になっているのだと思います。
t が飲み込まれるのは、実例ではこの記事。 原理はこの記事です。

■■h は発音しない、t は d に変わる

ダイ・アナザー・デイでは、
007はグスタフ・グレーブスに接近すべく、彼がフェンシングをやっているクラブに来ます。女性インストラクターが言います。
00時間53分40秒
He`s won so much, nobody else wants to fight him.
You wanna meet him?
彼は勝ちすぎるから、誰も戦いたがらないわ。
彼と会ってみる?(インストラクター)  
ファイト ヒムでなく、
ファイ ティ ムと聞こえます。

ミート ヒムでなく、
ミーディ ムと聞こえます。

これなどは、h が無くなった後、t が d になってます。

ちなみに、He’s won so much の won の発音はウォンではありません。one と同じワンです。この記事で勉強しました。

◆◆コラム t が有声音にはさまれて、d に変わる

You wanna meet him?
ミート ヒムでなく、
ミーディ ムと聞こえます。
h が無くなった後、t が d になってます。

t がd に変わる原理は、音声学入門(松坂ヒロシ著)にあります。

その前に基礎知識として、同じ本に書いてある事を確認します。
t という子音は、
声の有無 無声
調音位置 歯ぐき
調音様式 破裂音
です。
t は無声音です。発音してみて下さい。その時にのどに手を当てても震えてないのがわかります。
調音位置と言うのは音を出す器官です。例えば、p とか b は、唇です。th[θ]は、歯(と舌)です。
調音様式の破裂音とは、閉じられた息の通り道を急に開くものです。
t を繰り返し発音すると、上記のイメージは把握できると思います。

そして、t が d に変わる話ですが、音声学入門では、literature の最初の t を取り上げ説明してます。この t は前後を母音に囲まれてます。母音は有声音です。無声音が有声音にはさまれると、有声音→無声音→有声音と切り替えが2回生じます。切替の回数が少ない方が楽なのは、当然で、t が有声化し、d に変わるのです、とあります。
確かに d は、
声の有無 有声
調音位置 歯ぐき
調音様式 破裂音
で、t とは声の有無しか違いがありません。

さて、
You wanna meet him?
ミート ヒムでなく、
ミーディ ムと聞こえます。
ですが、
h が無くなったら、t の前は ee で t の次は i です。
どちらも母音で、有声音で発音されます。だから、t は d になるとわかります。

■■h が落とされるのは、

英語音声学入門に解説があります。
強勢のない音節に属している[h]は脱落しやすい。
tell her、meet his son、talk to him などのフレーズにある[h]は普通のていねいさの話し方でも、しばしば脱落する。
とあります。

そして、文中で強く発音される傾向の強いものと弱く発音される傾向の強いものを品詞別に分けてます。

①強く発音される傾向の強い単語
指示代名詞、名詞、動詞(be動詞を除く)、形容詞(不定形容詞を除く)、副詞(so、there、asなどの短いものを除く)
②弱く発音される傾向の強い単語
冠詞、人称代名詞、助動詞、be動詞、不定形容詞、副詞(so、there、asなどの短いもののみ)(前置詞(underneath など長いものを除く)、接続詞(provided など長いものを除く)

指示代名詞とは、this とか that、不定形容詞とは、some とか every とか either、人称代名詞とは、I、my、me、he、his、him とかです。

こうしてみると、上記で集めた h を発音しない例は、
I need her now.
with him
Kill her.
look her over
blame him
Isn’t he
meet him
try him
は、人称代名詞でした。

Mine have always been guns, Mr. Bond.
ですが、現在完了形を作るこの have は助動詞です。

英語音声学入門の説明に整合しますね。

以上、h は時々発音されない、を勉強しました。

また、h の発音については、イタリア訛の英語として、下記の記事があります。
hair エア、hear イア、hate エイト 名詞、動詞の h も発音しないイタリア訛の英語
extraordinary ヘクストローディナリ、as a result ヘズ ア リザルト、h が無い言葉に h をつかるイタリア訛の英語 実例と解説

007映画で英語を勉強して、300記事を超えました。好きな映画で英語を勉強するのは楽しいものです。この記事に全体の目次がありますので、ぜひともお好みの記事からご訪問ください。

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