007映画 カジノ・ロワイヤルで英語の勉強

007映画シリーズのカジノ・ロワイヤル(2006年公開、監督マーティン・キャンベル、主演ダニエル・クレイグ)のセリフで英語の勉強をしようと思います。セリフの登場順に勉強しますので、多少ネタバレになりますので、映画を先にご覧ください。

■プラハにて

00時間01分35秒
If M was so sure that I was bent, she’d have sent a double-0.
自分が不正をしていると確信があるなら、M は00部員を送り込んだだろう。(ドライデン)

この文は仮定法です。
If M was so sure ですが、ここは本当は were ですが、口語では was も使われることがあるのです。
007映画で were、was を使っている例はたくさんあります。興味のある方はこの記事をご覧ください。
また、この文全体は仮定法過去と仮定法過去完了の併用です。それについては、後のシーンでも出てきますので、そこで触れます。

■爆弾男を見張っているシーン

007と仲間の男は、耳に入れた通信機で連絡しながら、爆弾製造人を見張ってます。
仲間の男は耳の通信機を指で触っているので、007は注意します。
00時間10分25秒
Stop touching your ear.
Sorry?
Put your hand down.
耳を触るな。(007)
え、何ですか?(仲間)
手をおろせ。(007)

sorry はすいませんという意味ですが、Sorry? は(聞き返して)もう一度言ってくださいという意味になります。I’m sorry? も同じです。後のシーンでも出てきます。

■Mの私邸で007との会話のシーン

Mと言う暗号名は何の略語かを007が口に出そうとした時、M がぴしゃりと言います。
00時間24分00秒
Utter one more syllable and I’ll have you killed.
もう一言、言ってみなさい、そしたら殺すわよ。(M)

syllable     音節、一言

命令文+and です。~しなさい、そうすれば、と言う用法です。
学校でも習う有名な用法ですね。でも、セリフを聞いていても、命令文+and という形に気づきません。と言うのは、and が聞き取れないからです。
syllable and I’ll have は
シラブル アンド アイル ハヴ ユー キルド でなく、
シラブル  ナ   ゥ ハヴ ユー キルド と聞こえるからです。

and は発音は アンド ですが、ルミナス英和・和英辞典で and を調べると、(弱)ン(ド)、ン、(強)アンド とあります(むろん発音記号で書いてありますが)

Mのセリフは、ン です。次が I で ア で始まるので、ナ になってます。

命令文+and は後ほど記事内に出てきます。

007は M に言ってます。
00時間24分08秒
Well, I understand double-0s have a very short life-expectancy
私は00部員は平均寿命がとても短いと知っている。(007)

ハイフンが使われてます。ハイフンは2語以上をつなげるときに使われます。double-0s は、pre-1920(1920年以前)のように文字と数字を組み合わせた例です。
また、ハイフンは、bell-like(ベルのような)同じアルファベットが続くときにも使われます。life-expectancy はそれに相当します。

また、selfが付く複合語はほとんどハイフンがつきます。
M は手がかりになるかも知れない爆弾製造人を射殺してしまった007を叱ってます。
00時間24分21秒
Bond, this may be too much for a blunt instrument to understand, but arrogance and self-awareness seldom go hand in hand.
ボンド、これは鈍器のような人には分かりにくいかもしれないけど、傲慢と自己認識は両立しないのよ。(M)

blunt instrument  鈍器
arrogance     傲慢
self-awareness   自己認識
hand in hand    手に手を取って

self の後にハイフンがあります。
ハイフンにはいろいろな用例があります。数字をつなげる とか self-の場合はこの記事、re-(再)やex-(元)、スペルを言う場合はこの記事、同じアルファベットや分数の場合はこの記事をご覧ください。

■007がバハマを訪れて

夜中、M が自宅で就寝中、電話で起こされます。本部の人間がバハマにいる007について報告を始めました。
00時間31分16秒
Well, he’s logged into our secure website using your name and password.
Well, how the hell does he know these things?
Well, I’m doing my best to find out.
彼は、我々の秘密ウェブサイトにログインしました、あなたの名前とパスワードを使って。(本部の人間)
一体全体、どうやって彼はそれらを知っているの?(M)
それを見つける最大限の努力をしてます。(本部の人間)

how the hell ですが、これは疑問詞 how を強調する用法です。what the hell、how the hell もあり、007映画にも出てきます。この記事この記事をご覧ください。
the hell の他に on earth もあり、how on earth、where on earth とかが007映画にも登場します。この記事をご覧ください。

■ル・シッフルとディミトリオスの会話

ル・シッフルは爆弾犯がもう既に英国の監視下にあったので、紹介者のディミトリオスを呼び出し、お前の責任だと責めます。ディミトリオスは言います。
00時間36分56秒
It’s your plan.
All I did was get you the man.
君の計画だろ。 (ディミトリオス)
私がやったことは、君に実行者を提供した事だけだ。(ディミトリオス)

was get は、was to getじゃありません。to が省略されてます。
英文法解説(江川泰一郎著)に説明があります。
動詞(is/was)の前にdo/didがきて、不定詞以下がその内容を説明する場合には to が良く省略される。
All I did was (to) give her a hint.
私は彼女にヒントを与えただけです。
When I was thrown into the water, the best I could do was (to) keep myself afloat.
私は水中に投げ出されると、浮いているのが精一杯でした。
映画の後半のシーンにも、こうした用例があります。

00時間37分05秒
Which makes me wonder if I can trust you at all.
このことは、本当に私が君を信用できるかしらと思わせるよ。(ル・シッフル)

wonder if I can は、
ワンダー イフ アイ キャン ではなく、
ワンナ イフ アイ キャン と聞こえます。

n の後の d は発音されないことがあります。

ちなみに、at all は、
アット オール ではなく、
アッド オール と聞こえます。
t が d になってます。t は母音に挟まれると d になることがあります。これは原理が簡単です。t は無声音です。t の前と後ろにあるアは有声音です。(無声音、有声音と言うのはのどを震わせるかどうかです。発音している時のどを触ればわかります。)
有声音→無声音→有声音です。切り替えがない方が楽なので、無声音が有声音になっちゃうわけです。

また、ここでの at all の意味ですが、英和辞典などをいろいろ調べると、否定文の時の訳、疑問文の時の訳、条件文の時の訳がいろいろ載っていて、覚えるのが大変です。
しかし、Collins の英英辞典で調べると、
You use at all at the end of a clause to give emphasis in negative statement, conditional clauses, and questions.
節の最後につけて、否定文、条件節、疑問でも、強調を意味する。
と統一イメージを示してました。

これ以降、どの用法でも、特に訳出する必要のないときは、私は単に、ああ、強調しているのね、と思うことにしました。

■007はディトリオスの妻と過ごしている

007は、爆弾犯と連絡を取っていたディミトリオスの居場所を見つけ、その妻を誘惑し、情報を取ろうとしています。彼女はディミトリオスから電話で朝まで帰らないと言われたので、一晩中ふたりで過ごせると007に伝えます。007は言います。
00時間39分29秒
In that case we’re gonna need some more champagne.
その場合は、もっとシャンペンが要るな。(007)

In that case は、
イン ザット ケース でなく、
イ ンナ ット ケース と聞こえます。

th の音は落とされてます。 n の後の th は発音されないことがあります。

00時間44分44秒
It’s Bond. I need her now.
ボンドだ。M と話したい。(007)
ニード ハー ナウでなく、
ニー ダー ナウと聞こえます。

h という音は発音されないときが良くあります。her のような人称代名詞の時など特にそうです。

■空港でのテロを阻止した後、Mと007

マイアミ空港での爆破テロを007は阻止しました。M が007に話してます
00時間56分01秒
When they analyzed the stock market after 9/11 the CIA discovered a massive shorting of airline stocks.
9・11同時多発テロの株式市場をCIAは分析して、航空機会社の株の空売りがあった事を突き止めた。(M)

When they analyzed は、
ウェン ゼイ アナライズド でなく、
ウェネイ アナライズド と聞こえます。
n の後の th は発音されてません。

short        空売りをする
英辞郎on the WEB

ちなみに、9/11は nine eleven と読んで、9.11アメリカ同時多発テロの事です。

short      空売りする 
空売りとは株とかが値下がりすると判断したときに使う金儲けの方法です。
持ってもいない株を高値で誰かに売ります。売って現金が入った以上、株券を渡さなければならないのですが、その時は安くなった金額で株券を購入して、株券を所定枚数渡せばよいのです。

テロが阻止され空売りで大損したのは、ル・シッフルかと007はMに尋ねます。
00時間56分28秒
Which would explain how he could set up a high-stakes poker game at Casino Royale in Montenegro.
そのために、彼はモンテネグロのカジノ・ロワイヤルで高額賭け金のポーカーゲームをセットアップしたのだわ。(M)

casino という言葉ですが、この映画の日本語タイトルもカジノと言ってますが、発音はカシーノと濁りません。Mのセリフをよく聞くと分かります。

■007とヴェスパーの出会い

007と財務省のヴェスパー・リンドがカジノでの作戦について話してます。
00時間59分34秒
You don’t think this is a very good plan, do you?
良い計画だと考えてないんだね。(007)

ヴェリー グッド プラン ではなく、
ヴェリー グッ プラン と聞こえます。

d はその後にp,b,k,g が来ると消えることがあります。t もそうです。t,d,p,b,k,g は破裂音です。破裂音が連続すると前の破裂音は消えることが良くあります。この後にも出てきます。

01時間01分35秒
So as charming as you are, Mr. Bond, I will be keeping my eye on our government’s money and off your perfectly formed arse.
You noticed?
Even accountants have imagination.
あなたはチャーミングだけれども、ボンドさん、私は英国政府の金を見張っているわ、あなたの格好良いおしりでなくて。
気が付いたかい?(007)
会計屋でも想像力はあるわ。(ヴェスパー)

as charming as you are のように、as+形容詞+as+主語+動詞 や、形容詞+as+主語+動詞 は~だけれども、という譲歩の意味を表す事があります。この記事をご覧ください。 

01時間01分29秒
You think of women as disposable pleasures rather than meaningful pursuits.
あなたは女性を意味のある楽しみと言うより、むしろ使い捨ての快楽と考えているわ。(ヴェスパー)

ルミナス英和・和英辞典
日本語字幕(戸田奈津子さん)では、
女にはのめり込まず
その場限りの快楽だけ
となってます。

rather than は、(~よりは)むしろ、どちらかと言えば とかいう意味です。

disposable     使い捨て(式)の、処分できる, 自由に使える.
pursuit       (普通は複数形で)仕事, 研究; 職業; 趣味, 楽しみ

■カジノに到着

ル・シッフルとのカジノ決戦のために、007はヴェスパーとともにホテルに着きます。
01時間03分40秒
Welcome to the Hotel Splendid.
ホテル・スプレンディッドへようこそ。(ホテルの受付)
hotel という普通名詞があります。

固有名詞に the が付くときがあります。固有名詞の中に一般名詞が入るときです。the United States(states が普通名詞)、the Kyber Pass カイバー峠(pass が普通名詞)、the Caspian Sea カスピ海(sea が普通名詞)、the Peninsula Hotel(hotel が普通名詞)。007映画で固有名詞に the が付く用例は、この記事をご覧ください。

007とヴェスパー・リンドは身支度をしています。
007は用意されたディナー・ジャケットに気づき、ヴェスパーに聞きます。
01時間08分01秒
I have a dinner jacket.
There are dinner jackets and dinner jackets.
ディナー・ジャケットがある。(007)
ディナー・ジャケットと言っても、いろいろあるわ。(ヴェスパー)

There is (are) A and A.と言う用法があります。これは、よいAもあれば悪いAもある,同じAと言ってもいろいろだ という意味です。

007とル・シッフルはいよいよカジノで対戦します。バーゼル銀行が賭け金の管理をします。バーゼル銀行の人にカジノの進行役が説明を促します。
01時間09分56秒
Monsieur Mendel here represents the Basel Bank,
メンデルさんがバーゼル銀行を代表して、いらしてます。

バーゼル銀行という固有名詞に the が付いてます。bank という普通名詞があります。

■カジノのシーン

007はドライマティーニを注文します。
ゴードンのジン3に、ウォッカ1、キナリレイを2分の1、氷を入れてシェイクし、薄いレモン一切れを入れてくれ。
これを聞いた参加者は次々に、
俺にもひとつくれ、俺もだ、私にもレモンは無しで、と注文します。
早く勝負したいル・シッフルは少し いらついた表情で言います。
01時間14分33秒
That’s it? 
Anyone want to play poker now?
(注文は)おしまいか?今はポーカーをプレイしたくないのか?(ル・シッフル)

That’s it. にはいろいろ意味がありますが、ここでは、これでおしまい、と言う意味です。その他に、それだ、とか、その調子、と言った意味もあります。007映画ではよく使われてます。この記事をご覧ください。

トランプ・カジノの席で係の人が言います。
4時間もプレイしてきました。(係)
01時間16分14秒
It’s time for a short break.
We will resume play in one hour.
休憩です。(係)
1時間後に再開します。(係)

in という言葉は基本的に中に入っているというイメージの言葉ですが、1時間以内に再開します ではありません。1時間後に再開しますです。
英単語イメージハンドブック(大西泰斗、ポール・マクベイ共著)にこんな事が書かれてます。
I’ll come round in 5 days/in 10 minutes.
5日後/10分後に行きますね。
「入っている」という in のイメージから逸脱するこの使い方、特に注意しておきましょう。ここで in は時点をあらわしています。「10分後」「5日後」と言う時点。「以内」の意味には、within が普通使われます。

味方のマティスが007に話しかけます。
01時間26分03秒
How’s our girl?
Melted your cold heart yet?
ヴェスパーはどんな様子だ?(マティス)
もう、君の冷たい心を溶かしたかい?(マティス)

日本語字幕(戸田奈津子さん)では、
君の氷のハートが溶けたか?
です。

否定文の中の yet は、まだ~してない という意味ですね。疑問文の中の yet はもう(~したか)という意味になります。この後にも出てきます。007映画シリーズ内での他の用例は、この記事をご覧ください。

カジノでポーカーのプレイヤの一人が言います。
01時間29分49秒
Good game.
良いゲームだね。
グッド ゲームではなく、
グッ ゲーム と聞こえます。
破裂音が続くと、前の破裂音は消える話はにも出てきましたね。007映画シリーズでは、こういうのはよく出てきます。良ければこの記事をご覧ください。

007はル・シッフルに負けてしまいます。逆転するために追加の賭け金を財務省から派遣されたヴェスパーに頼みますが、ヴェスパーは断ります。
01時間30分49秒
All you’re going to do now is lose more.
あなたがやろうとしている事は、もっと負けることだわ。(ヴェスパー)

ここでも見たように、was の前に did が来ているので、was to get じゃなく、was get と to が省略されてます。
007映画シリーズにはこうした用例は他にもあります。この記事をご覧ください。

01時間30分52秒
Then you’re an idiot.
I’m sorry?
I said, you’re a bloody idiot.
それなら君はバカだ。(007)
何て言ったの?(ヴェスパー)
君はとんでもないバカだと言ったんだよ。(007)

ここの I’m sorry? は、聞き直しです。ここの Sorry? と同じ用法です。

007はル・シッフルに毒を盛られます。救急キットを取り出し、血液を採取し、本部へ信号を送信します。心臓が止まる危険があるので、心臓に電気ショックを与える除細動器が必要です。
01時間35分59秒
Remove the defibrillator from the pouch.
Do we know what it is yet?
We’re still scanning.
パウチから除細動器を取り出せ。(本部員A)
何(の毒)かわかったのか?(本部員Bに向かって本部員A)
まだ、調べている。(本部員B)

疑問文の中の yet はもう(~したか)という意味ですね。ここでもありましたね。

■カジノでの勝負が終わって

007はカジノでル・シッフルとの大勝負が終わり、ヴェスパー・リンドと夕食を取ってます。
ヴェスパーは007に言います。。
殺人の仕事は気にならないの?他にも選択肢があるのに、
01時間44分58秒
Just because you’ve done something, doesn’t mean you have to keep doing it.
Why is it people who can’t take advice always insist on giving it?
何か一度やったからと言って、それを続けなければいけない訳じゃないわ。(ヴェスパー)
自分じゃアドバイスを受け入れないのに、人にはアドバイスをしたがるのはなぜなんだだろう?(007)

Just because…(, it) doesn’t mean ~ は、 …だからといって~じゃない という意味になります。

Why is it people … always insist on giving it? は強調構文です。
強調構文とは、It is ~ that … で、…するのは~だ と強調する 用法です。例えば、
Then it was SPECTRE who killed the Russian agent in the mosque.
それでは、モスクでソ連の諜報員を殺したのはスペクターだったんだ。
こんな感じです。

今回は、疑問詞を用いた強調構文です。
It is 理由 that people who can’t take advice always insist on giving it.
で、この理由が何なんだ、と聞いているのが、
Why is it people who can’t take advice always insist on giving it?
です。
疑問詞を伴った強調構文は、007映画にもたくさん出てきます。この記事をご覧ください。

007はカジノでル・シッフルを破りました。ル・シッフルは007と女性財務官のヴェスパー・リンドを捕まえます。拷問で007から、勝ち金を預けた銀行口座のパスワードを聞き出そうとしてます。
01時間52分46秒
Give me the password and I will at least let her live.
Bond.
Do it soon enough and she might even be in one piece.
パスワードを言え、そうすればあの女は生かしてやる。(ル・シッフル)
ボンド、早く言え。そうすればあの女はバラバラにされないだろう。(ル・シッフル)

命令文+and です。ここでも出てきました。~しなさい、そうすれば、という用法です。

and I will は、
アンド アイ ウィル でなく、
アン ナイ ウィル と聞こえます。
and she は、
アンド シー ではなく、
アン シー と聞こえます。

007映画シリーズには、他にも命令文+and はありますが、命令文+and の場合、and をはっきり アンド と発音するのはなさそうです。せいぜい、アン のようです。この記事をご覧ください。

■事件の後、療養中の007とヴェスパー

01時間56分44秒
It makes me feel reborn.
If you’d just been born, wouldn’t you be naked?
生まれ変わったような気がするの。(ヴェスパー)
もし、君が生まれたばかりなら、君は裸では?(007)

これは仮定法です。仮定法には仮定法過去と仮定法過去完了とかがあります。仮定法過去は、
I would laugh if my heart was not so heavy about my poor Lisl.
かわいそうなリスルの事で心が重くなかったら、私は笑っちゃうところだ。(ユア・アイズ・オンリー)
と言うように、If 過去形、would/could/might/should+原形、という形をとります。
表す意味は、現在~ならば、現在~だろうに、です。
仮定法過去完了は、
if she hadn’t killed herself, we would have had you, too.
彼女が自殺しなかったら、うちの組織は君も取り込んでいたんだろうがな。(慰めの報酬から)
と言うように、If 過去完了形、would/could/might/should+完了形、という形をとります。という事は、過去~だったら、過去~だったろうに、という事になりますね。

If you‘d just been born, wouldn‘t you be naked?ですが、
これはIf 過去完了形、would//could/might/should+原形 という形です。つまり、仮定法過去完了と仮定法過去の併用です。ですから、過去~だったら、現在~だろう、ということになります。これは時系列的にありえますよね、
00時間01分41秒
Benefits of being section chief, I’d know if anyone had been promoted to double-0 status…
私のはセクションチーフなので、もし誰かが00要員に昇格してたら、私は知っているだろう。
これもそうですね、過去~だったら、現在~だろう です。

ところが、現在~ならば、過去~だったろう、という形の表現があるのです。
00時間01分35秒
If M was so sure that I was bent, she’d have sent a double-0.
不正をしていると確信があるなら、M は00部員を送り込んだだろう。(ドライデン)
if節が仮定法過去、その後が仮定法過去完了で、現在~ならば、過去~だっただろうという事になります。

時系列的に言って不思議ですよね。これは私は長年、どう考えてよいかわかりませんでした。しかし、次のロイヤル英文法(綿貫 陽/宮川 幸久/須貝 猛敏/高松 尚弘 著)の解説でようやくわかりました。
条件節が現在も変わらない事実と反対の事を仮定し、帰結節が過去の事実の反対の事を表すときは、条件節の動詞は仮定法過去、帰結節の動詞は過去形助動詞+完了不定詞になる
If I knew the answer to that question, I would have told you a long time ago.
もし私がその問題の答えを知っているなら、とっくの昔に君に話しただろう
*私が答えを知らないという状態は今でも続いている

つまり、過去知っていたなら、過去話しただろう、という文が、今も同じように、知らないので、現在知っているなら、過去話しただろう、という形になっているという事です。なるほどとわかりました。
仮定法過去と仮定法過去完了の併用は、007映画では他にも出てきます。この記事をご覧ください。

カジノで勝ち取った金の処理のために、007はパスワードをキーインするように銀行家に言われます。
007はヴェスパーに言います。
01時間58分09秒
You can do that.
I would if I knew what it was.
V-E-S-P-E-R.
君ができるだろ。(007)
知っていたらできるけど。(ヴェスパー)
V、E、S、P、E、R。(007)

この V、E、S、P、E、R と言っている時の英語字幕が、V-E-S-P-E-R. です。(パスワードはヴェスパーの名前自身だったのです)

スペルを言うときにも、ハイフンを使うのですね。

以上、007映画 カジノ・ロワイヤル でいろいろ英語を勉強しました。

007映画で英語を勉強して、300記事を超えました。好きな映画で英語を勉強するのは楽しいものです。この記事に全体の目次がありますので、ぜひともお好みの記事からご訪問ください。

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